2003-01-01から1年間の記事一覧

「予知夢」 東野 圭吾

東野圭吾の「探偵ガリレオ」シリーズ第二編。どうということはない小品集なのについつい読み進んでしまうのは、贔屓モードに入っているからだろう。しかし、この人は多作だ。もっと少なくていいから、二年に一度くらい「白夜行」クラスの本を書いて欲しい、…

「永遠の出口」 森 絵都

どこにでも転がっていそうな、面白くもない話を集めただけなのに、わざわざ本にして出版する価値があるか? 女性ならばこの本に共感できるのか?

「日曜日たち」 吉田修一

この本を読みながらいろいろと考えているうちに、吉田修一の小説に対する僕的な解釈法に思い当たった。この著者は、時間的な広がりを持つ物語を提示しているのではなく、一枚の絵を提示しているのだ。ある、強烈な印象を残す心象風景を描いた一枚の絵。読者…

「シービスケット―あるアメリカ競走馬の伝説」 ヒレンブランド,ローラ

何度かじーんとさせられた。時間はかかったけど、読むだけの価値は十分にあった。ノンフィクションだけに、退屈だったり間延びしたりすることもあるけれど、これまたノンフィクションだけに、しびれるときの感情の振幅も大きいような気がする。本当に、こん…

「安政五年の大脱走」 五十嵐 貴久

同作者の「1985年の奇跡」と同じく、繊細さはないけれど、持ち前の爽やかさで読ませる。しかも、詰めが甘かった「1985年」と違って、最後の詰めとそこから来る読後感が素晴らしい。読み終えた日は、その後味を何度も反芻してしまった。「交渉人」の時にはあ…

「キャッチャー・イン・ザ・ライ 」 サリンジャー,J.D.

こうした人物造形を楽しめる人はどういう人なのだろう?人に対する考察を日常的に行い、それがある閾値を突破した人だと、こういう人柄が楽しめるんだろうか?他人には負の感情しか抱くことができず、嘘つきで、自分の心に素直に従うことができない。そうい…

「美しくなければならない」 ファーメロ,グレアム【編著】

訳者がサークルの後輩。以前紹介してくれた訳本がとても面白かったので、今回も期待して読む。各界の記念碑的な方程式の魅力を、それが生まれるまでのサクセスストーリーも含めて紹介しようと言う面白い試み。それ自体は高く評価できるが、悲しいかな、僕に…

はじめまして

BLOGって何?と思い、とりあえず登録。 どんなことができるんでしょうか?