2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「SPEED」 金城一紀

「ザ・ゾンビーズ」シリーズの最新刊。安心していいペースで読み進められるのだが、赤の他人がゾンビーズに鍛えられ、目を開かされていくさまは「フライ,ダディ,フライ」と印象が重なるところが多く、「この本もこのパターンか」と醒めてしまったのが残念。…

「戦力外ポーク」 ゲッツ板谷

面白い。前に読んだ「話題の場所に行ったり話題のイベントに参加して感想を書く」という本があまり面白くなかったのだが、2002年に出たというこの本はすっごく面白い。この人は、できるだけ一冊の本の中でテーマを絞り込まず、その時々で書きたい内容を好き…

「「負けた」教の信者たち」 斎藤環

中央公論に連載された時評集。本としてのまとまりに欠けるところは仕方がないのだが、できれば、タイトルのテーマをもっと手間暇かけて扱って欲しかった。なぜ若者が「負けた」と確固たる自信を持って思いこむのか、については、著者の専門のひきこもりにも…

「実録鬼嫁日記」 カズマ

読み始めは面白かった。うわーすごいなー、と他人の不幸は蜜の味。 しかし、読み進めるうちに不愉快になってきた。あまりにも鬼嫁の言動が理不尽なのだ。ひどい。ひどすぎる。カズマよ、美人で料理が上手いとは言え、何でこんな女と結婚したのだ?と怒りがこ…

「正しい保健体育」 みうらじゅん

タモリ倶楽部での活躍を拝見するたび、みうらじゅん氏の本はいつか読みたいと思っていた。で、その一冊目がこの本。内容は、保健体育の教科書に出てきそうな項目をテーマに、タモリ倶楽部と同じ芸風で語り尽くすというもので、全くの予想通り、というか期待…

「三人目の幽霊」 大倉崇裕

落語を上手く題材にしたミステリ。北村薫の「空飛ぶ馬」シリーズとかぶる分野ではあって、北村薫の方がより洗練されているとは思うが、話の舞台がどっぷりと落語界に浸かっているところや、個々の話のテーマと落語の噺とが密接に関連している点などが異なっ…

「警視庁捜査一課殺人班」 毛利文彦

よくミステリやドラマに出てくる警視庁捜査一課の殺人担当班についてのレポート。事件発生から自白までの過程を丁寧に説明する章と、興味深い実例を紹介する章がほぼ半分ずつ。ミステリを好む者としては、日本の警察に関する基本的な知識を押さえておくとい…

「細野真宏の世界一わかりやすい株の本」 細野真宏

この人は「経済のニュースがよくわかる本」からのファンだが、この本もその流れをくんでいて、本質的な(と思われる)ことを分かりやすく丁寧に説明してくれている。具体的には、初心者の個人投資家が株に対して基本的にどのような考えを持てばいいのか、どの…

「人生ベストテン」 角田光代

上手くいかない恋愛関係に悩む女性心理の機微を描いた短編集。僕的には響くところがない短編が多かったのだが、その中で表題作だけは十分に楽しむことが出来た。ベッドの中でそれまでの人生のイベントをランク付けする、という主人公の習慣が面白いし、学生…