最初の二章は、繰り言の多い年寄りのぼやきを聞かされている思いだったが、指数・対数の章で「わりといいことを言っているかも？」と思い始めると、後は興味深く読めた。特に微分・積分や微分方程式の章は良くて、「学生自体に微分や微分方程式をこのように…

「東京湾景」を読んだとき、この人は一体どうしてしまったのか、娘が小学校のテストで15点(100点満点)とか取ってきたらこんなショックを受けるだろうか、と心配になった。でも、この本を読んで一安心。いい出来じゃないですか。ええ、やれば出来る子なんです…

川上弘美の柔らかさと伊坂幸太郎のキャラクター造形力を足して、天然水で5倍に薄めたような感じだけど、こういう柔らかい小説は好きだ。「直ちゃん」と「大浦君」のズレ方が何とも心地よく、読んでいて楽しかった。特に大浦君は、恩田陸の「夜のピクニック」…