2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「世界中が雨だったら」 市川拓司

メジャーな単行本しか読んでいない僕からすると、この人にしてはちょっと作風の変わった中編三本。知らなかったけど、こんな小説も書くんですなぁ。三つとも好きな作風ではないが、三つ目を除く琥珀とカウンタ仕掛けの二つの中編はとても印象深いが、その二…

馬鹿ミラニスタが和田のHRをたたき落としたために、2chのAC Milanスレが荒らされまくっている件について

野球ってまだ人気あるんだな、と素直に驚いた。かくいう僕も、5年くらい前は「今夜は中日が勝ったから腕立て10回追加!」とかやってた人な訳ですが。 あの頃はプロ野球ニュースのハシゴとかしてたのになぁ。 去年中日が優勝したシーズンにも、1試合も見てま…

「ビッグボーナス」 ハセベバクシンオー

読み始めて5分ぐらいで「やばい!この本面白い!」という感触がビリビリ伝わってきた。パチスロの攻略情報を売るというアンダーグラウンドな商売がスリリングだし、 時々出てくるポップな言葉遣いが生き生きとしていて楽しく、重くなりつつある場面でもふっ…

「このへんでドロンします (昭和へっぽこフレーズ大全)」 へっぽこ調査室

最高に笑える。腰が砕けそうになるフレーズの集め方も上手いし、イラストもトホホ感が良く表れていていい感じ。そして、「間違った使い方」とそれに対する冷静なツッコミがまた面白い。ああ、買ってしまいそうだ。

「僕の行く道」 新堂冬樹

この本は小学校か中学校の図書室に置いておくにはいいのかもしれないが、大人にはこの浅さは読んでいて辛い。読みやすかったので最後まで読んでみたが、最後まで浅いまま。「アサシン」を読んだときにこの人の本は二度と読むまいと決心したはずなのに…気の迷…

「空港にて」 村上龍

どこにでもある風景をバックに、他とは共有できない個人的な想いを綴った短編集。最初の「コンビニにて」を読んだときには「こりゃまたひどい短編集に出会ってしまった」と悲嘆に暮れたけれど、その後「カラオケにて」や「公園にて」と進むにつれて面白くな…

「レインレイン・ボウ」 加納朋子

いかにもこの人らしい、すっきりとした味わいの、日常ミステリー的な連作短編集。この人の本を読んだのは久しぶりだけど、もう「加納節」とでも言うべき安定感が備わっているように思う。こまかいことを言うと、第一話の「ほのぼの奥さん」的な始まりをする…

「光の帝国」 恩田陸

常野という東北の架空の地域にルーツを持つ、超能力を持った人々を描いた短編集。もの静かで穏やかな性質の人々、という設定が何ともいい。恩田陸の芸風の広さを象徴するかのように、いろんな味を持つ短編が集まっているけれど、個人的には茶碗を割る話とか…

「図書館の神様」 瀬尾まいこ

何も残らない。何も感じない。こういう本は困ってしまう。この本と比べると、まだ森絵都の「永遠の出口」のときには「どうにも主人公の気持ちが分からない」という違和感が心に残ったような気がする、今考えると。しかしこの本はツルッとなめらかに滑ってお…

「戦闘美少女の精神分析」 斎藤環

この本では、特に筆者が議論を深めていく章では記述が相当にアカデミックで、精神分析の専門用語が頻出する。精神医学の基礎を修めた者でなければ付いていくのは難しいと思う。それでもこの議論には興味があるので、全く分からないところは読み飛ばしつつ、…

「ダーリンの頭ン中」 小栗左多里&トニー・ラズロ

語学オタクの旦那・トニーのうんちくに関する連載マンガにまとめた一冊。内容は語学に関するものだが、「ダーリンは外国人」シリーズと同じノリで読めてしまう。トニーの各国語に関する知識も大したものだけれど、それをマンガに著す奥さんの力量がなければ…