2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「わくらば日記」 朱川湊人

これはまたいい本を書いたものだ。題名の「わくらば」という言葉は、広辞苑によると「病気におかされた葉。また、色づきすがれた葉」。病に冒された主人公のお姉さんのことだ。このお姉さんの「人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力」をポ…

「プチクリ」 岡田斗司夫

これまでクリエイター論は読んだことがなかったが、「プチクリ(エイター)」なら自分も読んで感じることがあるこあも?と思って読んでみた。なかなか楽しい本だった。「好き=才能」という着眼点はとても面白いが、僕には飛躍が大きいように思えた。僕が大い…

「萌えの研究」 大泉実成

考察が面白くない。というか、ほとんど考察と呼べるものがないため、「研究」というタイトルを付けるには内容が伴っていない。しかし、「萌え」という概念を生み出したオタクの世界に対する突撃ルポ集としてはそれなりに楽しめた。特に僕からすると縁遠かっ…

「ダ・ヴィンチ・コード」 ダン・ブラウン

ようやっと予約の順番が回ってきて借りることができたのだが、この本については売れ行きが示すとおりの面白さだった。キリスト教と異教との関係や、聖杯伝説とシオン修道会と美術との関わりについては、キリスト教に根ざす文化とは縁遠い僕にとっては「トン…