2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「ニート」 玄田有史, 曲沼美恵

難しいことだとは思うが、やはり「なぜ今になってニートが増えてきているのか」ということについての考察を深めてほしかった。そうでないと、どうして「14歳の職業体験」が無かった頃でもニートが少なかったのかが説明できず、著者らが推奨する「14歳の職業…

「電車男」 中野独人

2ちゃんねるに日々1時間前後を費やす僕にとって、これほど楽しめる本はそうない。2ちゃんねるの住人のツッコミにヒクヒクと笑いをこらえつつ、秋葉系の男の恋愛サクセスストーリーに酔えるのだ。主人公である電車男の誠実な人柄やヒロインであるエルメスの…

「6ステイン」 福井晴敏

2000年近辺の短編集。全て防衛庁情報局という組織絡みのお話。盛り上がりもどんでん返しもそれなりにある、並の出来の短編集だとは思うのだが、この人の作品にしては物足りない。やはり、キャラの熱さや格好良さを感じさせてくれないと。これくらいのボリュ…

「ぼんくら」 宮部みゆき

宮部みゆきの時代小説を読んだのは初めてだったが、楽しく読み切ることが出来た。友人の奥さんが「宮部みゆきは時代小説もいいですよ」と評していたけど、まったくその通りだった。時代背景はこれまで読んできた現代物とは違うけれど、物語そのものは信頼性…

森川嘉一郎を見た

この間のNHKの「新日曜美術館」は、ベネチアの国際建築展で日本館として展示された「OTAKU」を取り上げていた。これは「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」の著者である森川嘉一郎自身が取り仕切った展示らしく、彼がその本の中で主張していた内容を実際の展…

福井晴敏を見た

見ていなかった「BSアニメ夜話」のガンダムの回がNHK総合で再放送されることをたまたま知り、録画したのを後で見てみると、ゲストに福井晴敏が出ていた。 福井晴敏といえば、僕的には「熱い男(達)を書かせたら、横山秀夫かこの人」という作家。どういう人と…

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 J.K.ローリング

まずは著者にご苦労様と言いたい。これだけの質と量なら3年かかるのも頷ける。あと二作、じっくりと時間をかけて書いていただきたい。 ハリーの「名前を言えないあの人」絡みの大活躍はどうでもいい。僕にとってのハリーポッターシリーズは、とにかくホグワ…