2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「眞鍋かをりのココだけの話」 眞鍋かをり

彼女は結構好きなタレント。NHK教育の「サイエンスZERO」でそれなりに知的なセンスを見せつつも、タモリ倶楽部に出演するなど、三流安物タレントのようなノリも持ち合わせているところがいい。そして何より、読ませる文書を書くのが上手い。日本一のトラック…

「我輩はシャーロック・ホームズである」 柳広司

トリックや謎解き、夏目漱石の留学に対する思いなどは別にどうでもいいのだが、自分をホームズだと思いこんでいるときの漱石の語り口や、ホームズ本人の語り口が、「いかにも僕が昔夢中になった新潮文庫版のホームズ」という感じに仕上がっていた。これには…

「審問」 パトリシア・コーンウェル

「検屍官ケイ」シリーズの11作目。いつものように安定した筆致で読ませてくれる。今回は、まず心理学者アンとのカウンセリングの緊張感が良かった。そして、このカウンセリングが別の意味を持ってくる、という点に意表を突かれた。また、検事バーガーとのや…

「サウスバウンド」 奥田英朗

この本はすごく良かった。ある家族が東京で挫折して沖縄に引っ越し、再生していく物語なのだが、一家族の枠を超えてしまうようなのびやかさ・スケールの大きさを感じた。それでいて、第一部で主人公が中学生の不良と対峙していく悩ましさの描き方、そしてそ…