2007-01-01から1年間の記事一覧

「うちの3姉妹 2」 松本ぷりっつ

3姉妹を育てている母親(漫画家)のブログを書籍化したものだとか。作者の子育てだって、この本に載っているような楽しいことばっかりじゃないとは思うけど、それでもこういう視点を持ちつつ子供を育てられるのは素敵だなぁ、と素直に感心するし、羨ましくも思…

「秒速5センチメートル」納得いかねぇ!ヽ(`Д´)ノ

新海誠監督の最新作:連作短編アニメーション「秒速5センチメートル」がようやくレンタル開始になったので、夫婦で週末に1話ずつ見ていった。第1話は、「相変わらず切なくていい話を作るなー」と幸せになれた。 第2話は、「ちょっと疑問は残るけどこれはこれ…

「道具屋殺人事件──神田紅梅亭寄席物帳」 愛川晶

これぞまさに本格的な「落語ミステリー」と呼べるのではないだろうか。北村薫のシリーズも大好きだけど、こちらは完全に落語界にどっぷりつかった舞台設定となっている。主人公が、二つ目の落語家の妻で、その旦那の落語家としての悩みとミステリーとをうま…

「精霊の守り人」 上橋菜穂子

僕の読んだこの人の本は「獣の奏者」に続く二作目になるけれど、相変わらず骨太なファンタジーを書く。「買い物屋」の二人組が出てくるあたりの読み始めこそ「また異世界ファンタジーものか、ちょっと食傷気味かも」と思ったものの、有無を言わせない展開の…

「太陽の塔」 森見登美彦

古風で独特な語り口と人物造形、世界観で綴られた異色作。今時の団体のスタンスに例えると、先日も秋葉原で合同デモを行ったという「革命的非モテ同盟」が一番ノリが近いだろうか。よくもまぁこんなノリの作品で「ファンタジーノベル大賞」が取れたものだと…

「図書館危機」 有川浩

相変わらずのノリで展開される「図書館戦争」シリーズの三冊目。二冊目を読んでからすぐにこの本の順番が回ってきたので、あまり間を置かなかったせいか、ちょっと新鮮みに欠けてきた。それでも、通勤電車での立ちっぱなしが全く気にならないほど面白いんだ…

「螺鈿迷宮」 海堂尊

この人にしては、かなりおどろおどろしい雰囲気の作品で、あまり好きにはなれない。タイトルや装丁からして気味悪いし、読後感も良くない。翡翠院と桜宮病院との関係が把握しきれなかったのは、僕の読解力の無さのせいか。それでも、白鳥が登場してからの推…

「玻璃の天」 北村薫

ベッキーさんシリーズの二冊目。この人のシリーズものは本当に安心して読める。安定感から言うと、宮部みゆきと同等かもしれない。どの中編もいいが、どちらかというと表題作よりは琴のお嬢様の話が好み。暗号のところはちょっと外連味があるけれど…ラストの…

時をかける少女

昨日の夜にレンタルで見て、評判通りとても良い映画だったので、ご紹介です。今更「時をかける少女」かよ、と思う人もいるでしょうが、こちらは2006年のアニメ映画。最初はとても小規模な公開から、口コミで評判が広がって徐々に公開規模を広げていったとい…

「図書館内乱」 有川浩

図書の閲覧の自由を守るために戦う図書館シリーズの第二作。相変わらずドラマ風のノリでテンポ良く突っ走る内容で、本作もとても楽しめた。世界設定からひねり出されてくるいろんな問題がどれも面白く、これならいくらでも続きを書いてもらえるかも?と期待…

オリコン2位

アーセナルとミランの調子が悪くなってからは、日記に書き込むのはオタクネタに偏っている気もしますが…深夜アニメ「らき☆すた」のオープニング曲「もってけ!セーラーふく」が今週のオリコンで2位になったそうな。1位のV6まであと2,000枚だったようで、CDの…

らき☆すた OP「もってけ!セーラーふく」のベース Full リテイク

これは格好いい。めちゃめちゃ格好いい。ブログへの動画貼り付けのテストを兼ねて、「もってけ!セーラーふく」オリコン2位記念に。

「堕ちた天使―アザゼル」 ボリス・アクーニン

中途半端に展開のうまい少年探偵団もの。それ以上でもそれ以下でもない。朝日新聞の書評で「ロシアでは大評判のシリーズ」と紹介されていたので読んでみたのだが。。。これが大評判とは、ロシアっていったい。。。

「鹿男あをによし」 万城目学

大学院で行き詰まって腐っていた男が、気分転換にと勧められて臨時教員として奈良に赴き、そこで思わぬ騒動に巻き込まれる物語。この人の本は初めてだったが、とても面白かった。最初はリアルっぽい学園小説なのかと思っていたら、いきなり鹿がしゃべり出し…

「冥王星パーティ」 平山 瑞穂

1章、2章は「社交性に欠けるオタクに二人連続で引っかかってしまった、男運の悪い女の子の話なんだな」と普通に読み飛ばしていたが、3章になっていきなりあのような展開を見せるとは全く予想できなかったので、かなり不意を突かれた。でも、その3章「招待」…

「フィッシュストーリー」 伊坂幸太郎

この人らしい魅力にあふれた中・短編四作品。一番気に入ったのは、やはり表題作だろうか。四つの時間を行き来しながら、売れないロックバンドの最後の作品が、「風が吹けば桶屋が儲かる」的に世界を救ってしまう、という話を伊坂タッチで楽しく描いた作品。…

「獣の奏者」 上橋菜穂子

「闘蛇編」と「王獣編」の二冊しかないのに、驚くほどの深さを見せる物語。著者の構想力が優れているのだろう。国の成り立ちやあるべき姿にまで話が展開していくとは思わなかった。そして、ユーヤンだけはちょっと首を傾げたけれど、その他の登場人物の人物…

「僕僕先生」 仁木英之

唐の時代の中国の、ニート青年と美少女仙人の冒険譚。冒険自体は特にどうということはなく、御都合主義的で展開力も今ひとつという感じだけど、やはり美少女×仙人という掛け合わせの発想の勝利か、主人公の恋愛感情に引きずられて「いいじゃん御都合主義で」…

「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦

天然系女子大生と一途な先輩を中心として、不思議な人たちがとりまく世界を独特な文体で描いた小説。とても面白かった。「彼女の後ろ姿に関する世界的権威」「おともだちパンチ」「なむなむ」「パンツ総番長」「ビスコはパンの一種」など萌えたり笑えたりな…

「夢を与える」 綿矢りさ

相変わらず、痛くて切ない心情を言葉で表現するのがとても上手なんだけど、この作品はそれだけで終わってしまった。小さい頃から順調にタレントとしてのキャリアを積んでいった主人公が、スキャンダルを起こして転落してしまうところでスパッと物語が断たれ…

「中庭の出来事」 恩田陸

頑張って最後まで読んではみたけれど、複雑すぎてよく分からなかった話。どこからどこまでが現実で、劇中劇が何層構造になっていて、その中で自分は今どこを読んでいるのかが全く掴めなくて辛かった。見当識の喪失、とでもいうのだろうか。非常に不愉快な読…

「使命と魂のリミット」 東野圭吾

序盤から中盤にかけて、これでもかと言わんばかりに夕紀が西園を疑う材料が出てきたので、これは最後は「いい話」になるな、という展開は読めていた。しかしそれが分かっていても十分楽しんで読み進められたし、ラストでそれなりに感動させてくれるところが…

「ぼくの手はきみのために」 市川拓司

いかにも市川拓司的な、穏やかで「草食動物のような」人たちが織りなす恋愛短編三編。冒頭の表題作はどうということはなかったが、二編目の「透明な軌道」では、タイトルの通り透き通った美しい世界が描かれていたし、三編目の「黄昏の谷」は、長屋の人たち…

「数学的にありえない」 アダム・ファウアー

「もし将来に起こりうる全ての事象を見渡す能力があるとしたら…」という仮定のもとに走り出すジェットコースターのような小説。確率・統計や量子力学に関するものの考え方を噛み砕いて説明しつつも、ストーリー自体はエンターテイメントとして力強く、読むも…

「100万分の1の恋人」 榊邦彦

少し読んで「難病ものかよ勘弁してよ」と思ったが、さらに読み進めてみると、ちょっと普通の難病ものとは違っていた。発病すれば必ず死に至る病なのはよく恋愛小説に出てくる難病と同じだが、長くて辛い介護を要する、というのが他の難病と一線を画している…

「あかんべえ」 宮部みゆき

三途の川の河原で不思議な水を舐めてしまったことから、「お化けさんたち」が見えるようになってしまった少女を中心に展開する、江戸人情噺。料理屋が舞台だし、もっと淡々と話がすすものかと思っていたけど、読み始めてみると休む間のないジェットコースタ…

「10ドルだって大金だ」 ジャック・リッチー

楽しく読める、肩の凝らないミステリー短編集。「クライム・マシン」の作者の短編集ということで楽しみにしていたが、この短編集も良かった。解説にも書いてあったが、さくっと読めて後に何も残らないのがいい。口当たりが良い、とでも言えばいいのだろうか…

アニメ版のだめ

オタクな友人のmixi入会記念に、久々にアニメ系の日記など。年明けからフジの木曜深夜でアニメ版の「のだめカンタービレ」が始まったのですが、これが良い出来です。僕はまずマンガからのだめの世界に入ったんだけど、実写ドラマ版はどうしても馴染めずに初…

「最後のウィネベーゴ」 コニー・ウィリス

コニー・ウィリスの、ちょっと昔の4編を集めた短編集。どの短編も共通して背景説明を全く行わないので、物語の世界に入っていくためのハードルが高い。しかし苦労して設定を読み解き、何とか物語の世界に入り込むと、そこには興味深い物語が待っていた。4編…

「つばき、時跳び」 梶尾真治

タイムトラベル系の恋愛ものとして十分に楽しめる一冊で、不満は皆無なのだが、何かデジャヴのようなものがずっと付きまとっていた。別に同じようなストーリーを読んだ覚えはないのだが…と不思議に思っていたのだが、やっと分かった。ヒロイン「つばき」の真…