2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧
こんな人が(文章を書くことを生業にしていないという意味で)埋もれているのだから、世の中は侮れない。当意即妙、の一言に尽きる。分量が分量だけにすぐに読み終わってしまったけど、十分に楽しませてもらった。
恩田陸の熱血(?)演劇ロマン小説。読み終えるまで、本を読める空き時間が来るのが待ち遠しい一冊だった。こういうのも力業で書けてしまうのか〜と感心することしきり。すばらしい。「ガラスの仮面」を恩田陸が書くとこうなるのか、とも思ったけれど、「舞台の…
精神科医:伊良部シリーズの三冊目。ナベツネ・ホリエモン・黒木瞳を題材にした三作品はこのシリーズの水準以下だと思うが、最後の表題作がいい。気合いを入れて話を作ると、この著者ならここまでのものができる、ということなのだろう。常識の通用しない激…
「おたく」「負け犬」「腐女子」「ヤンキー」などの性愛について二人で議論する対談集。「格差論」というタイトルが付いているが、別に性愛が二極化しているというような話ではなくて、むしろ「多様化する社会の中でお互いに隔絶しつつあるグループの間の垣…
素晴らしい。少年法の問題に真正面から取り組みつつも、いろいろな伏線を上手に生かしたりサプライズを複数段きちんと用意するなど、ミステリとしても見事。少年法について、加害者側の視点と心理をここまでしっかりと描いたミステリは他にないのではないだ…
二人の子供を含む世の中への愛情あふれる視線と、斜め後ろからの突き刺すような視線とが、相変わらず絶妙なブレンドで共存している。サイバラ節は今日も健在ですなぁ。嬉しい限り。おバカ一直線に育っているように描かれている息子さんと、賢く要領よく育っ…