2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「阪急電車」 有川 浩

阪急今津線の各駅を舞台に繰り広げられる連作短編集。まずその構成が面白いと思う。ベタベタに甘いのもあり、ちょっと苦いのもあり、ただ皆に救いがあるのが好み。そうだ、「優れている」というよりは「すごく好み」だからこその5点。二日間楽しませてもらい…

「禁断のパンダ」 拓未 司

行方不明者の行く末については思っていたとおりなので、意外性は少なかったが、それでも十分楽しめる骨太なミステリーだった。料理・味覚に関する蘊蓄も楽しい。また、さいごのちょっと怖い余韻も効いている。

「ゴールデンスランバー」伊坂 幸太郎

さすが伊坂幸太郎。最後の決着は議論の分かれるところになりそうだが、そこに至るまでの過程は十分に楽しませてもらった。伏線の張り方もうまい。「陽気なギャング」シリーズとは桁違いの、良質な娯楽小説。個人的には裏稼業に通じた似非入院患者の保土ヶ谷…