「ひとがた流し」 北村薫

読んだときの精神状態によるのかもしれないが、僕にとっては少々あっさりしすぎている感じ。軸をなしている三人の女性の友情にもそれほど感情移入できなかったのが原因だろうか。この人の本では「夜の蝉」がピタリとはまったから…どうしてもそのレベルの感情移入を期待してしまうのかもしれない。

終盤、千波が結婚するまでのいきさつや結婚後のエピソードについてはかなり楽しめただけに、盛り上がりがそこだけしかないように思えて、個人的に残念。