「号泣する準備はできていた」 江國香織

何かしら美味しそうな香りはするのだが、味わい方を知らないので十分に楽しめなかった、という感じの短編集。それでも、どちらかというとハッピーな作品(「熱帯夜」や「こまつま」)、思いが溢れるような作品(表題作や「そこなう」)は楽しむことができた。どう楽しめばいいのか分からなかったのは、その他の淡泊な作品群。元々相性が悪いのかな。これらの作品を味わうのに必要な何かが僕には根本的に欠けている気がする。ちょっと残念。