「平成マシンガンズ」 三並夏

今度は十五歳ですか。早熟、というよりは才能なのだろう。自分が十五歳だったときのことを考えると、これほどの言葉の操り方は神業に近い。好きな文体ではないが、それでも十分なセンスは感じられる。

いじめは「精神のバランスを保つために必要不可欠な行為」という冷徹な見方をする一方で、そのいじめを実際に受ける主人公の絶望的な心情の描き方は生々しくて痛々しく、物語に読者を強く引き込んでいくパワーがあった。

不思議な句読点の打ち方はかなり気になったが…これは著者の癖なのか?それとも主人公の内面を表現するための技巧なのか?これについては次回作以降を読んでみないと分からない。