「エンド・ゲーム」 恩田陸

常野シリーズの一つ前の「蒲公英草紙」とはかなり作風の異なる作品。正体のよく分からない敵との「裏返す」か「裏返される」かの緊迫した関係をベースに、ホラータッチで話が進む。ホラーが苦手な僕も、前半はその緊迫感を楽しむことができた。

が、「包まれ」てからの後半がよく分からなかった。次々と展開するシュールな情景は全く楽しめなかったし、三人の「対決」についても目的は何なのか、何が起こったのか、結果がどうなったのか、などがさっぱり分からない。どんてん返しとして用意されているらしいラストにも何だかピンと来ないままに読み終えてしまった。僕は失敗作だと思う。